SEカレッジのこれまで

SEカレッジが生まれてから約10年。
このページでは、SEカレッジをどのような思いで立ち上げたのか、そして現在までどんな歴史を辿ってきたのか、創設社員の思いと共に紐解きます。

真下貴充

真下貴充e&TS Division マネージャ

2002年入社。マネージャとして若い社員の多いe&TS Divisionを先導する

山田裕輔
                

山田裕輔e&TS Division マネージャ

2011年入社。SEカレッジをはじめ、多くのサービスの運営に携わる

SEカレッジはどのように生まれたのか?

ー2010年にSEカレッジがサービスを開始したわけですが、まずは立ち上げ当時のことを聞かせてください。

真下

私はSEカレッジの立ち上げよりも10年ほど前にSEプラスに入社していました。SEカレッジを開始するまでは、JavaやVisual Basicコースの独習ゼミ(eラーニング)や書籍の販売のみを事業としていました。あとは翔泳社の著者との繋がりがあって、IT企業への講師派遣などを行っていましたね。

2009年まではそうした事業を行っていきながら、IT企業とのお取引を徐々に拡大していったのですが、当時は中小企業との関わりがあまりなかったんです。

ー今は中小企業のお客様も多いのですが、当時はそこまでだったのですね。なぜでしょうか?

真下

担当者に話を聞いていると、「研修に予算をかけられない」問題が浮かびあがってきました。IT研修は、Javaの3日間のオープン講座で1人5万とか6万。講師を呼ぶにも20万から30万と、中小企業でその予算を取るのはなかなか難しい・・・という話でした。

ーなるほど。

真下

そこで2010年の1月頃に、書籍の販売等で関わりがあった中小企業の担当者を対象に、30社ほどインタビューを行いました。予算が取れないのであれば、どのように教育をしているんですか?と聞いてみたんです。

そうしたところ、現場のOJTでまかなっていたり、ビジネス系の定額制研修サービスなどを導入していることがわかりました。ということは、ITの定額制研修があれば、中小企業でも全社的に研修環境を構築できるのではないか?と考えたのが、SEカレッジの始まりですね。

中小企業向けのIT教育コンテンツの立ち上げが急務だった

小さな会議室から始まった運営

ー今でこそサブスクという言葉は当たり前ですけど、IT研修で定額制のところはどこにもなかったと。

真下

そうです。多くの中小企業が同じような課題を持っていたので、ITの定額制研修を今すぐに作ろう!と。そこから約半年間ほどで準備をして、2010年の10月にサービスを開始しました。当時のコース数は・・・月8本(笑)

ー今では考えられないくらい少ない!(笑)

真下

今のコース数と比べるとかなり少ないですね(笑)ただ、当時はIT研修が受け放題になるサービスがなかったので、これはいいね、ということですぐに導入してくれる企業もありました。

山田

その時登壇していた講師の中に、今でもまだ登壇していただいている方が沢山いますね。講座数は少なかったですが、学ぶ機会を作れたこと、そして一社研修や書籍での実績がある講師が登壇していたので、量は少なくても内容に満足してくださる企業も多かったと思います。

ー当時はどのように運営していたんですか?

真下

これは今と同じですが、上期・下期に分けて講師の方とそれぞれ開催するコースを決めていきました。営業がコース企画にも携わるので、お客様が受けたいと思っているテーマを直接聞いて、講師に相談して形にしていく。ユーザーの皆様から直接フィードバックを受けるような形です。

山田

今でこそオンライン研修が当たり前になったり、SEプラス専用のセミナールームもありますが・・・当時は翔泳社の会議室を使って研修を行っていました。機材とかも営業が会場まで荷台で運搬してましたよね(笑)

ー立ち上げ当初っぽいですね。立ち上げから徐々にコースや導入企業が増えていったと思うのですが、その頃教育担当者の反応はどうでしたか?

山田

私はSEカレッジのサービス開始と同時に入社したので、導入してもらうためにIT企業を回って提案していたのですが・・・定額制の説明が難しかったですね。

まず料金が1人当たりで何円、ではなく1社あたりの月額費用なので、料金表を見せると必ず言われるのが「これは1人当たりの金額ですか?」という(笑)
あとはそもそも研修の文化がないケースも多かったです。「技術は現場で学ぶもの」という考えがあったり、業務中に研修を受けることが少なかった。なので、研修の重要性を伝えていくことを意識していました。

SEカレッジの全てを知る2人

業界の変化に対応するために

ーなるほど。順調にサービスが拡大していったと思うのですが、壁などはあったのでしょうか?

山田

2015年頃までは徐々に導入してくれる企業も増えていたのですが、それに伴って2016年ごろから満席の講座が増え始め、講座を受けたくても受けられない、という声があがるようになりました。

それと同時に、SEカレッジで夜の時間帯に開催していた研修の参加者が激減しました。この頃社会全体で働き方改革が注目されるようになりましたよね。当時はIT業界も残業が多くて業務が辛い、などのイメージもあったと思います。働き方改革を進める中、業務後に研修を受講したら、それは残業なのか自己啓発なのか、企業としても判断し辛い時期だったのだと思います。

真下

夜の講座に参加できない方が昼の時間帯に参加するようになったことも、満席講座が増えた理由の一つだと思います。ただ業務時間中に研修を行うことに抵抗がある企業も多く、導入しても講座に参加できないのではないか、という理由で導入が見送りになるケースもありました。SEカレッジとしても伸び悩みの時期が続いていましたね。

ーなるほど。そうした流れの中で、SEカレッジはどのようにサービスを変えていったのでしょうか?

真下

研修を録画して、アーカイブ動画として配信する動画プランを新設しました。業務の都合や満席で受けられない講座をあとで視聴できるように、という狙いです。結果、時間的な制約も少なくなったことで、リアル講座とセットで導入していただくケースも多かったですね。

現在はほぼすべての講座がアーカイブ動画として配信される

山田

業界が変わろうとしている中で、その潮流とSEカレッジの研修をどう合わせていくかを考えたとき、改善を先導する人材が必要だと考えました。そのため、この頃から「サービスリード」という役割をつくり、SEカレッジの改善や新企画をリードするスタッフを配置しました。

SEカレッジが立ち上げ当初から大切にしているのは、実際にお客様とやりとりをする営業スタッフが、運営や企画に携わることです。お客様の状況を一番に把握し、システムの使いやすさやコースへの意見を聞くことで、改善に繋げています。先ほどの動画サービスの新設や、お客様の増加にあわせてコースをより多様にしていく動きは、サービスリードが先導して行ってきました。柔軟に講座数を変更したり、動画を活用することで満席率も徐々に低下していきました。

真下

2018年頃から現在まで、導入企業の数が急激に増えました。先ほどのサービス内容の改善ももちろんですが、業界自体も第3次AIブームが訪れたことなどで、世間的にもIT業界が注目されるようになったのだと思います。未経験で入社する新卒の方なども増えたことで、より一層研修のニーズも高まってきていると感じます。

ー業界全体としても盛り上がってきたのは、SEカレッジにとってもプラスでしたね。

山田

ありがたいことですが、ユーザーが増えれば増えるほど求められるものは多様化していきます。それはコースの中身であったり、受講のスタイルも人によって最適なものは違います。それに応えられる体制を用意するため、SEカレッジもさらに変化していく必要性を感じていました。

例えば動画サービスも当初はリアル講座を録画・編集したものを公開しているだけでしたが、普遍的な技術や基礎知識は、誰もが、いつでも学べるようにしようということで「いつでも動画」という形態も増やしました。
また、どの企業のどんな人材でも受けたい研修が見つかるようにコースのカテゴリや開催数も増やし続けています。最近で言うと、著名なパネリストをお呼びするウェビナー講座や、3日間・5日間などの特別開催講座など、サービスリードが中心となって常に新しい企画を推進しています。

いつでも動画。ITの基礎を5~10分の短い動画で学ぶことができる

“少し先の学び方”を提供できるか

ーここまでお話を聞いて、SEカレッジは絶えず変化を続けてきたサービスだなと思いました。こうした変遷を経て、これからSEカレッジが今後どう変わっていくのか、逆に変わらないものは何かについて、お二人にお聞きしたいと思います。

山田

「学び方」はこれからも時代に合わせて変化していくと思います。その中で大切なことは、「先取りしすぎず、少し先の学び方を提供できるか」だと考えていますね。あまり先に行きすぎると、ユーザーとのミスマッチが生まれてしまいますし、あまりに遅すぎてもいけない。

過去受け入れられなかったものや、一度開催をやめた講座でも、時代が変わって受け入れられるようになったものもあります。例えばいつからかDVDで学ぶスタイルはすっかりなくなりましたが、今では動画で学ぶことが当たり前になっていたり(笑)
サービス開始から10年以上経ちましたが、これまでを振り返ることも忘れずにいたいと思います。

真下

中小企業で研修ができない課題を解決したい、という思いで立ち上がったSEカレッジですが、この10年さまざまな変化を繰り返してきたことで、会社の規模や業界に関わらず、広く導入していただいています。

これからも様々な時代の流れがあり、変化をしていくことになると思いますが、お客様の声をキャッチし、講師と一緒に進化を続けていくことはこれからも変わらずにいたいと思います。

時代に合わせ、最適な学び方を追求した10年

「中小企業に教育環境を用意し、全社員がいつでも研修に参加できるように」という思いのもと、小さな会議室で講座をスタートしたSEカレッジ。導入企業やコース数は少しずつ増え、今では毎日講座を開催しています。

IT技術や研修のあり方は、この10年で変化し、それに合わせてSEカレッジも変わり続けてきました。これまで必要な研修や学び方を素早く提供できた理由は、普段からお客様と対話できる体制を保ち続けてきたからです。

この後は、現在のSEカレッジがどのようにお客様と繋がり、そしてどのようにサービスを作り上げているのかをお伝えしていきます。