ノーコード ( NoCode ) で体験する AI 開発のキホン 研修コースに参加してみた
今回参加したコースは ノーコード ( NoCode ) で体験する AI 開発のキホン です。
AI 、機械学習と言うと、どうしても線形代数などの数学、機械学習アルゴリズムなどなどのイメージがあり、ちょっと気重になってしまいます。このコース名にある「ノーコード」と言っても、「とはいえ数学成分多いんでしょ」と私は思っていました。
それが…
ものの 30 分で学習モデルが作れて、さらに動いたんです!! これには驚きました!
学習モデルを作る体験をしたことで、まずはデータ分析をして、データの特徴が見えてきたら機械学習のアルゴリズムを使って ・・・ という流れが、覚えずともイメージできるようになりました! 素人でも AI は作れるんです!!
では、どんな内容だったのか、レポートします!
もくじ
コース情報
想定している受講者 | PC の基本的操作(アプリのインストール、 Web ブラウザの操作等)ができること |
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受講目標 |
|
講師紹介
この参加してみたレポートでは初登場の 井上 研一 さんが登壇されました。
その自己紹介にあったのが、井上さんは AI の研究者ではなく、普通に SE ・プログラマをやっていて、そこから AI が面白くて勉強し始めて、今に至っているとのことでした。
「面白い!作ってみたい」と思うことが、何よりスキルアップには効くのかも知れませんね。
今日の狙い
続いて、今日のコース内容について説明いただきました。
- AI は実はそんなに難しいものじゃない
- 画面上の操作で作ってみる
- 作る題材は 2 つ
- 画像認識
- 予測を行うモデル
- AI プロジェクトと他プロジェクトの違い
AI とは
まずは AI について、いまどのように活用されているのか、紹介いただきました。
- 画像認識
- チャットボット
- 予測
- ゑびや (飲食店・伊勢市) では来店予測 AI を開発し、利益率の向上につなげている
- 詳しくは SEプラスの ゑびや のウェビナーにあるので、ぜひご覧ください!
- この AI には自社サイトへのアクセスや気象庁のデータなど非常に多くのデータを収集して開発されている
- モデルの開発だけでなく、使用するデータの特定やその収集に工数が掛かる
- ゑびや (飲食店・伊勢市) では来店予測 AI を開発し、利益率の向上につなげている
- 生成
- 比較的新しい
- 動画や画像の生成
- ガートナー・ハイプサイクルによると AI は過度な期待のあとの幻滅期にある
Adobe が発表していたものも「生成」に分類されるものですね。
画像の解像度を「2倍」にするPhotoshopの新機能「スーパー解像度」の使い方&仕組みはこんな感じ – GIGAZINE
AI のこれから
- 汎用人工知能 (強い人工知能) が出てきてる
- 人間のような知能
- 過去の歴史をたどると…
- 実は AI は実用化されると AI と呼ばれない
- 昔は漢字変換も AI と言われていた
- 漢字変換も今ではとりたてて AI と言わなくなっている
- 経産省の新産業構造ビジョン ( 2018 ) におけるディープラーニング技術の発展と社会への影響
- 画像などの認識から、今後は「運動の習熟」や「言葉の意味理解」に進む
- 文脈に応じて「優しく動かす」のようなことができる
- 画像などの認識から、今後は「運動の習熟」や「言葉の意味理解」に進む
- コグニティブ
- 言語や画像などを人間のように AI が理解する
確かに先日開催された Google I/O 2021 では以前 ( 2019 ) のように AI というキーワードを連発する場面は少なくなりました。もはや AI は日常の機能の一つに溶け込んでいると言えそうです。
Google I/O 2021基調講演まとめ:Google I/O 2021 – ITmedia NEWS
Google I/O 2019まとめ 「AI for Everyone」、Pixel 3aも発表:Google I/O 2019 – ITmedia NEWS
機械学習の進め方
AI つまり機械学習とはどのようなもので、どのように作るのか、いよいよメインテーマに差し掛かります。
訓練データからどのように学習モデルを作るのか、解説いただき、実際にその手法を紹介いただきました。
機械学習の手法 ( ex. 線形回帰)
- 線形回帰の式: y = w1x1 + w0
- x という値が与えられた場合、 y の値が求まる
- こうした式が機械学習アルゴリズムであり、訓練データを用いて学習すると学習済みモデルになる
- ディープラーニングも機械学習アルゴリズムの一種
- この x( x は x1, x2 … のように複数存在することもある)を特徴量という
- 特徴量として何を用いるかは人間が考える必要がある
- 人間が考えなくとも特徴量を見出すのがディープラーニング
- ただし万能ではなく、画像や時系列データなどの分野で用いられる
続いて、どのように AI を作るのか、その手法を解説いただき、今回の演習内容を説明されました。
- 今回は学習済みモデルをノーコードで開発
- 1 つめの演習は Google Teachable Machine を使用
- 機械学習アルゴリズムはブラックボックス
- 学習済みのモデルをファインチューニング
- 2 つめの演習は Azure Machine Learning を使用
- 機械学習アルゴリズムとして何を用いるかなど自分で決められる
- 学習モデルをゼロから開発
コードを書かなくてよいこともそうですが、機械学習のアルゴリズムなどを詳しくなくても開発できるとはスゴい時代です。 AI の裾野は広がっていますね。
Teachable Machine で画像認識モデルを作ってみよう
今回は画像認識の中でも、画像を分類するモデルを作ってみます。
- Google が開発した Teachable Machine を利用
- 井上さんに用意頂いたデータセットをもとにトレーニング
- 犬と猫の画像を 10 枚ずつ
- テストデータを入れて判定してみる
- ググった画像を入れてみよう
- 100 % 犬という判定
- ググった画像を入れてみよう
- エクスポートして利用もできる
- モデルをアップロード後、埋め込み用のコードをサイトにコピペすると動く(!!)
ものの 30 分ぐらいで、しかも少ないデータセットで出来ました! スゴい!!
さらに Teachable Machine が作ったものをホストしてくれてると言うので、実際に埋め込み用コードを貼り付けてみました。ぜひお試しください!
-
Usage
- Web カメラを用意
- Start ボタンを押す
- Web カメラ使用許可のダイアログが出るので OK
- Web カメラの領域が表示される
- カメラに写るものが 犬 or 猫 で判定される
なお、オンプレでやってみたい場合は「Microsoft Lobe を使ってみるとよいですよ」とのことでした。
Azure Machine Learning で価格予測モデルを作ってみよう
先ほどは予め学習してあるモデルを使ったので、スグに作れましたが、次は学習モデルをゼロから開発してみます。
今回は自動車のスペックデータから価格を予測する学習モデルを開発します。
Microsoft Azure Machine Learning Studio (classic) を使ってみる
井上さんの画面キャプチャ付きのスライドと解説をもとにポチポチ進めていきます。丁寧なスライドのおかげで迷子にならずに済みました!
そして、これまた 45 分ぐらいで作成できました! スゴい...
ここでは大まかにその手順を紹介します。 体験したい方はぜひコースを受講ください!
- Microsoft Azure Machine Learning Studio (classic) を使用
- データセットを選択
- アルゴリズムを選択し、学習モデルをトレーニング
- 結果を評価
- 値がないところがある = データセットに欠損値がある
- 精度が悪い
- 精度を改善する
- 結果を確認
さらに精度を上げるには
井上さんから補足として、ここから精度を上げる方法を紹介いただきました。
- 訓練データの分け方を変える
- 相関がないカラムを排除する
- アルゴリズムを変えてみる
精度を上げるには機械学習やデータ分析手法の知識は必要ですが、引き続き、画面ポチポチするだけなので、実装コストを考えると遥かにラクができます。
「ノーコードツールで価値検証して、いい感じに問題解決と精度が上げられそうなら、実装する」という使い方がとてもハマりそうですね。
AI の開発と従来プロジェクトの違い
一通り開発したところで、ふりかえりを兼ねて、 AI の開発と従来のシステム開発との違いをお話いただきました。
- 作って終わりではない
- 想定するデータが集まらないこともある(むしろ多い)
- たとえば画像認識でパン屋のレジ打ちを自動化するのあれば、コロナによって個装されるようになり再学習が必要になったと考えられる
- 継続してデータを収集しながら開発を継続する必要がある
- 想定するデータが集まらないこともある(むしろ多い)
- ユーザが抵抗することもある
- AI に仕事が奪われると思われることもある
- データが差別化の鍵
- 同業他社の A 社がうまくいったからと言って自社が上手くいくわけではない
- なぜなら活用の方法や、訓練に使ったデータが違うから
ユーザの抵抗があるというお話やデータが違えば、システムも違うというお話は、考えていなかったのですが、確かに「 AI 開発あるある」に感じますね。
このお話をもって、このコースは修了しました。
まとめ
AI の現状と機械学習でやっていることの大まかな流れを、ノーコードで体験しながら理解できました。
この体験があると動いたときの感動とともに、行ったこと学んだことを記憶するので、これはとってもいい学習でした! 思わずウキウキしてしまいますね。
AI は幻滅期を迎えているという話もありましたが、それだけ裾野が広がり、日常に溶け込んだと感じられるコースでした。
「機械学習を勉強するのはちょっと重いな」と思う方には、こういった体験からワクワクして学習を進められるので、とってもオススメです!!
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