中小企業がデジタルマーケティングで絶対にやってはいけないことは?|SEカレッジ ITフェスティバル2023 開催レポート
2 日間にわたり 9 つのテーマでセッションが行われた 「 SE カレッジ IT フェスティバル 2023 」 から今回は 「マーケティング」 をテーマとした 「中小企業がデジタルマーケティングで絶対にやってはいけないことは?」をレポートします。
コロナを境に中小企業でもプッシュ型の顧客獲得から、プル型の顧客獲得、つまり顧客からの問合せを増やすデジタルマーケティングに取り組むことが増えています。 とはいえ、 SNS 、メルマガ、動画、オウンドメディアなど、数多あるデジタルマーケティング施策から最適なものを選ぶだけでも大変です。
その数多あるデジタルマーケティング施策の使いどころを、快刀乱麻にわかりやすく解説した人気書籍『デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?』(日本実業出版社 刊)などを執筆された 垣内 勇威 さんをお招きし、「絶対に」やってはいけないことを伺いました! ぜひご覧ください!
垣内 勇威
株式会社 WACUL 代表取締役
- 略歴
- 1984 年生まれ。 東京大学を卒業後、株式会社ビービットに入社。 2013 年に株式会社 WACUL に入社、取締役に就任。
WACUL では、 AI を活用した Web サイト分析サービス「 AI アナリスト」の立ち上げに関わる。 現在は、代表取締役として、事業のコアであるナレッジ創出を牽引。 新規事業や新機能の企画・開発および大企業との PoC など長期目線での事業推進の責任者を務める。 - 著書
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- 「デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?」(日本実業出版社 刊)
- 「 BtoB マーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?」(日本実業出版社 刊)
もくじ
「絶対やってはいけないこと」とは「やっても効果のないこと」
―― 中小企業がデジタルマーケティングで「絶対にやってはいけないこと」とあり、「絶対に」と断定しているのは、どういう背景からでしょうか?
―― 具体的にはどのような例があるのでしょうか?
となると、口コミをちゃんと書いてもらうことが勝負であって、 Web サイトはおまけみたいな位置づけです。 にも関わらず、 Web サイトにこだわってたくさん予算を使ったりしがちです。
―― 他にやってはいけない、という例はありますか?
―― ビジネス特性と施策ごとの特性を見るということですね
営業が弱い場合はどうすべきか
―― デジタルマーケティングを考える上で、他に考慮すべきことはありますか?
例えば、ホワイトペーパーという施策を考えた場合、営業が弱い会社では作っても意味がないでしょう。 ホワイトペーパーは、 “ホワイトペーパーを公開 → ダウンロードした顧客をリスト化 → 営業する” という流れが一般的です。
ただし、営業が忙しすぎるとか、ホワイトペーパーをダウンロードした程度のお客様の関心度では、営業がクロージングできる能力がないのであれば、意味がありません。
―― 営業が弱い会社だと致命的ですね。 そんな会社でもデジタルマーケティングを強化できるのでしょうか?
また、デジタルマーケティング以前の話ですが、誰でも売れる商品をしっかり作っておくこと。 より障壁の低いトライアルセットなどを作って、まずは契約してもらい、その後のアップセルは別の人が担うというのも一つの方法です。
垣内さんが斬る!マーケティング施策一問一答
―― ありがとうございます。 マーケティング施策は多岐にわたるので、ここからは一問一答の形式でどんどん聞いていきたいと思います
- ウェビナー
- 営業力がなければクロージングしようがないため、何にも繋がらない
- SNS
- 放っておいても口コミが発生するようなものであれば、使いようはある。 口コミが発生しづらい一般消費材は SNS の口コミは発生しづらい。 (お客様の)利用頻度が高く、食べ物や飲食店などビジュアルな訴求ができるものとはすごく相性がいい。 逆に、 BtoB ソリューションとは相性が悪い
- SNS の企業アカウント
- Web サイトやオウンドメディアと同じ位置付け
- メルマガ配信
- メルマガはお客様と関係性を長く続ける上でも基礎中の基礎ツール。 デジタルマーケティングの中では、最もコスパが高く、どの会社でも行っていい施策のひとつ
- オンライン展示会
- 商談できる場、営業がいるビジネスに限られる。 オンライン展示会のメリットは、気軽に来てもらえるという部分。 コロナ後はリアルとの位置づけが変わる
- オウンドメディア
- 現在はドメインが相当強くないと SEO が上がらない。 ブログ記事を 1 年 2 年かけて 100 ~ 200 記事書いて、 SEO を上げるというお金も時間もかかる施策なので、元が取れないと最初からわかっているなら、絶対手を出すべきではない
- MA (Marketing Automation) 、SFA (Sales Force Automation) の導入
- SFA を入れないで営業するのは相当厳しく、入れない方がいい会社はない。 MA も導入した方がいいが、顧客リストがまったくない状況で MA を入れてもやることがない。 またリストがあっても使う体制がなければ意味がない
営業にとってマーケティングの存在とは
―― マーケティングは営業と一緒にやるシーンが多いです。 うまく進めるために、営業とどのように関わるとよいでしょうか?
営業は、個人個人が勝手にマーケティングして、勝手に営業するので、外野のマーケティングが適当に PR するとかえって迷惑なのです。 あくまで、営業の役に立ちますよ、という姿勢を常にとることです。
―― ハードルが、とてつもなく高いですね。 また営業は情報を閉じてしまうことが多いのですが、マーケティング担当から、情報共有を促すことは難しいのでしょうか?
マーケティングの 9 割は社内調整
―― 営業との関わり方のお話を伺うと、デジタルマーケティングといっても、社内での人との関わり方が大きく成果に影響しそうですね
マーケティングの人員が足りない、採用できないといった問題がよく挙がりますが、そもそも採用要件が間違っていて失敗することが多いのです。 例えば、 SEO だけ詳しい人、広告だけ詳しい人を採用しても、社内調整が全然できず、結局施策が出ません。 やはり、社内のいろんな人に顔が効いて、社内調整もできて、プロジェクトを前に進められることが一番求められるスキルです。
それを踏まえてあらためて採用要件を整理するとよいでしょう。
―― 中小企業では、外から専門性のある人を採用するより、社内で適性がある人をマーケティング担当にする方が近道のように伺えます
まとめ
―― 時間が迫ってまいりました。 最後に視聴者の方へメッセージをよろしくお願いします
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