プロジェクトが炎上しないための会議段取り術 2021 年度版|研修コースに参加してみた
今回参加したコースは プロジェクトが炎上しないための会議段取り術 2021 年度版 です。
皆さんは会議が好きでしょうか。会議は必要なものですが、話が進まなかったり、まとまらなかったり、正直言ってあまり気が進まないこともありますよね。
今回のコースは、気が進まなくなる会議は何が悪いのか、また、何ができると良い会議になるのか、根回しは必要なのか、などなど会議が上手くいく方法を解説いただきました。
ちなみにファシリテーションを勉強したことがある私は、「ファシリテーションとこのコースは何が違うんだろう」と疑問に思っていたのですが、そんな疑問は見事に吹っ飛び、特に演習したワークシートの効果に感動してしまいました。
では、どのような内容だったのか、レポートします!
もくじ
コース情報
想定している受講者 |
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受講目標 |
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講師紹介
この “参加してみた” レポートでは初登場の 後藤 洋平 さんが登壇されました。
株式会社ゴトーラボ代表。「プロジェクトコンサルタント。世界で一番わかりやすく、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」プロジェクト工学を提唱し、プロジェクトマネジメント教育、ハンズオン支援に取り組んでいる。著書に『予定通り進まないプロジェクトの進め方』(宣伝会議)など。東京大工学部システム創成学科卒。
ご自身を「プロジェクト進行支援家」と紹介されるほど、様々なプロジェクトマネジメントに関するコースを実施されています。
自己紹介に続いて、今日のコース内容を紹介いただきました。
- プロジェクトのキックオフや定例会議がターゲット
- 会議スキルは誰からともなく教えられるもので、教科書のような固まったものがない = 正解がない
- このコースで会議を考えるフレームワークがわかり軸ができる = 会議スキルの向上
プロジェクト会議とメタ会議
このコースのターゲットとなるプロジェクトで発生する会議を整理します。
- プロジェクトにおける 2 大会議
- キックオフと定例
- それ以外の会議
- 定例会議: うまくいっているかどうかの確認
- マイルストーン会議: 次のフェーズに進むかどうかの判定
- ステアリングコミッティ: プロジェクトオーナーなど偉い人との会議
「ただ、どの会議もそううまく行かない」と補足されて、日常的に行われている「根回し」について深堀りします。
- 事前に会議が上手くいくように根回しなど利害調整する「メタ会議」がある
- 形式的な会議とメタ会議のメリット・デメリット
どちらかというと「根回し」はネガティブな印象ですが、後藤さんからは「上手くいってないことや不安なことを解消するのに、どちらの会議も大事なので、このコースではどちらもターゲットにします」と話されました。
4 つのダメな会議のパターン
このコースで扱う会議を定義したところで、会議が失敗する理由を探っていきます。
- 停滞型
- 進捗が良くない時に開かれ、打開するためのアイデアが「現実的ではない」
- 魔女狩り型
- 問題発生時に開かれ、問題発生原因を「ヒト」にしてしまう
- 言い訳型
- 成果が出ない時に開かれ、原因を分析すると結論が「しょうがない」
- お気持ち発散型
- 「ちょっと話がある」という時に演説をぶって、結果「頑張ろう」
後藤さんより最後に、各会議に共通しているのが、 「結論(アウトプット)が良くない」 とまとめられました。
確かに、どれも結論がヒドいですね(笑)。
会議でよいアウトプットを導くアジェンダの作り方
いよいよ、会議で「よい結論(アウトプット)を導く」方法について、解説が進みます。
さきほど挙がった 4 つのダメ会議のパターンが起こる理由を、その因子とともに解説いただいたあと、会議が上手くいくコツを紹介いただきました。
- 形式的な会議とメタ会議のバランスをとる
- プロジェクト開始当初は合意形成が難しいので、メタ会議を多くやる
- ただメタ会議が多いと生産性が悪い
- 中盤は合意形成がしやすくなり、メタ会議は少なくなる
- 最終的には会議そのものが少なくなる
- プロジェクト開始当初は合意形成が難しいので、メタ会議を多くやる
- 会議進行に効くツールはアジェンダ
- ここに挙がっている “ギャップ” とは例えば、計画と現実、仮説と検証結果など
- 問題の確認が一番重要
- 問題認識が違えば、そのあとの議論や結論はすべて無駄になる
- 解決策は「誰が」「いつ」「何をするか」まで決める
問題の確認が一番重要という指摘は、首がもげそうになるほど同意できるものでした。
会議が終わる頃に「そもそもさ~、…」で始まる、あの “ちゃぶ台のひっくり返し” 。 あの徒労感、皆さんもご経験があるのではないでしょうか。
会議の準備をワークシートを使って演習
これまで学んだことをもとに、これからは後藤さんが用意されたプロジェクト会議用のワークシートをもとに演習します。題材は、ご自身が開催する次回の会議です(ワークシートの名前があるとカッコいいなぁ)。
このワークシートがとっても秀逸で、これを書いて参加者と共有すると、これまでの会議進行がガラリと変わると実感できるものでした。
ここではかなりボカシを入れていますが、実際の演習では Google スライドで作られたワークシートを共有されて、自由に書き込めますので、興味のある方はぜひぜひコースを受講下さい!!!
演習の振り返り
演習が終わり、先程のワークシートの使い方や効果を補足いただきました。
- 後藤さんが実際使ったワークシートをもとに説明
- 後藤さんはこのシートをお客様とも共有していて、認識が違った点などをスグに気づけたとのこと
- 会議で全体から詳細を詰めるには時間がかかるので、ワークシートのような俯瞰図があるとギャップに気づきやすい
- ギャップと問題が見えると、自然と解決に向かうので、そのパワーを活用する
確かに IT エンジニアは問題解決が大好きなので、問題とその構造が明らかになると、解決したくてウズウズしてしまいますよね。
後藤さんから「最終的には会議で問題解決に近づけると面白くなって、会議をやりたくなるが、基本は無いことが一番良い」と話をされて、わかりみしかありません。
最後に、リモート会議でのコツをお話されて、このコースは修了しました。
まとめ
プロジェクトにおける会議にフォーカスを当てて、ダメな会議は何が悪いのか、上手くいくにはどうするとよいのか、解説いただきました。
会議というとファシリテーションのテクニックが有名ですが、プロジェクト会議用に使えるものが厳選されていました。またプロジェクト会議用にアレンジされたワークシートはとても秀逸で、例えば、入力項目の狭さ 1 つをとってもその意味がありました。
ステークホルダーが沢山いるときに、可視化ツールを使って問題認識を合わせることはとても大事だということに改めて気づけました。
ファシリテーションを学んだことがある方でも、さらにプロジェクトの会議の生産性を上げられるようになるので、とってもオススメです!
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