ビジネスマンのためのわかりやすいインターネットの仕組み|研修コースに参加してみた
今回参加したコースは ビジネスマンのためのわかりやすいインターネットの仕組み です。
このコースはタイトルの通り、普段の IT エンジニア向けという訳ではなく、一般のビジネスパーソン向けです。
いまやインターネットを使わない日はないといっていいぐらいです。
しかし…
「インターネットはどうやって繋がっているのか説明してください」
と言われると、 IT エンジニアでない限り、なかなか説明できるものではありません。
その一方で、一般のビジネスパーソンであっても DX やテレワークなどで IT リテラシーが求められるようになりました。
そこで、このコースではそういった方がインターネットという広大な世界で起こっていることを大まかにイメージできるように、その仕組みをカンタンに紹介いただきました!
では、どのような内容だったのかレポートします!
もくじ
コース情報
想定している受講者 | これから初めてネットワークを勉強する |
---|---|
受講目標 | ネットワークの勉強をする前に、身の回りにあるネットワークがどのように構成されているのか理解します |
講師紹介
今回はハイエンド技術ではなく、珍しく一般ビジネスパーソン向けのコースで 冨原 祐 さん が登壇されました。
現場の技術をどう学ぶか、工夫を凝らした演習をデザインできる講師
まずはこのコースの目標を紹介いただきました。
- ネットワークは専門用語が多い一方で、知らなくても使えることが多い
- ex. SIM カードを挿せばインターネットができる
- ネットワークの大まかな仕組みをおさえてほしい
ネットワークがわかるとは
ここで早速、冨原さんからお題が出されました。
ネットワークとはどういうものか、単語を並べるだけでもよいので書いてみてください
このお題の意図も合わせて紹介いただきました。
- ただ見て聞いて受講しただけでは目的が薄れがち
- 受講前に書いたことと、受講後に書いたことが変わっているかわかるようにしましょう
なるほど、このお題を意識するだけでも受講する目的が変わりますね。
どのようにネットワークを実現するのか
ここからネットワークの世界に飛び込んでいきます。
- ネットワークは何が揃うとできるのか?
- 物理的につなげるだけでは繋がらない
- 例えば、糸だけ繋いでもコミュニケーションできない
- 糸に紙コップとガラスのコップをつけてもコミュニケーションできない
- 約束事が重要
- お互い紙コップを使う、という約束事が必要
- ネットワークには約束事が大量にある
- すべて覚える必要はないが、だいたいの流れがわかるとよい
どのような約束事があり、それをどういう順番で使っているのか、これから大まかに見ていきます。
プロトコル
まずはその約束事がどのようなものなのか解説いただきました。
- ネットワークの世界では約束事を「プロトコル」 ( protocol ) という
- プロトコルの中にあるもの
- 約束と手順がまとめられている
- ケーブルなど物理的なものが含まれることもある
- プロトコルは様々で膨大な量があるが、実は作れるので、新陳代謝がある
- 代表的なもの(流し見ぐらいでよいですとのこと)
- TCP/IP のように 「 **P 」( P は Protocol ) と表されることが多い
- 代表的なもの(流し見ぐらいでよいですとのこと)
- プロトコルは組み合わせて使うことができる
- 例えばインターネットは TCP/IP と HTTP を組み合わせて実現している
- ちなみに TP は Transfer Protocol (転送の約束事)
- TP の前にあるものを転送すると考えると良い
- ex. FTP… File (ファイル) を送る
ここでそのプロトコルがどのようなものなのか、ブラウザの開発者ツール ( Chrome では F12 を押すと出てくる) で Yahoo! Japan を開いてやりとりを見てみました。
なんとトップページを開くだけで 200 回以上のやり取りをしていました。
インターネット
続いて、先程みたインターネットについて、その仕組みに迫ります。
- 小さなネットワークを繋いで繋いで、世界中を繋いだ通信網のこと
- 繋ぐときに約束事が無いと、繋がらないので TCP/IP や HTTP などのプロトコルを整備した
- スマートフォンと基地局、基地局と通信会社など、それぞれでプロトコルがある
このあと、イントラネットという会社で使われるプライベートなネットワークについても解説いただきました。
インターネットを支える IP アドレスとドメインの仕組み
ここからインターネットで使われているプロトコルを深堀りしていきます。
- 誰に送るのか、郵便を例にプロトコルを考えてみよう
- 郵便の場合
- 送るときは 郵便番号 / 住所 / 宛名 が必要
- 受け取った確認には 印鑑 が必要
- 運ぶ人が必要
- これがプロトコルになっている
- この住所にまつわるプロトコルが IPアドレス
- 数値で管理されている ex. 001010001000100010010010
- 人間には IPアドレスが覚えにくいので、数値を住所のような情報に変えている
- これが ドメイン と呼ばれる仕組み
確かめてみましょう。
Windows キーを押して cmd と打って、 コマンドプロント を起動し、冨原さんから教えてもらった通りに打ってみます。
> ping yahoo.co.jp
yahoo.co.jp [182.22.59.229]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
182.22.59.229 からの応答: バイト数 =32 時間 =10ms TTL=52
182.22.59.229 からの応答: バイト数 =32 時間 =7ms TTL=52
182.22.59.229 からの応答: バイト数 =32 時間 =7ms TTL=52
182.22.59.229 からの応答: バイト数 =32 時間 =8ms TTL=52
182.22.59.229 の ping 統計:
パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
最小 = 7ms、最大 = 10ms、平均 = 8ms
この ping というコマンドを使うと、通信できているかどうか確認できるとのことでした。
ここで表示されている 182.22.59.229 が IPアドレスとのことで、これでは確かに Yahoo! Japan とは覚えられませんね。
IPv4 と IPv6
さらにこの IPアドレスについて深堀りします。
- IPアドレス は [0~255].[0~255].[0~255].[0~255] の 4 つの数値で管理されている ( = IPv4 )
- 約 43 億個あるが、全世界 70 億人に対して少ない
- 不足分をグローバルアドレスというもので何とかカバーしている
- 企業や組織単位などの代表だけに 1 つの IPアドレスが割り与えられる
- この不足を補おうとしているのが IPv6
- 4 つの数値ではなく、その 4 倍の数値で管理するというもの
- 43 億 × 43 億 × 43 億 × 43 億
- いま世界的に移行テスト中だが繋がらないネットワーク機器もでている
「これから何か買うときは IPv6 対応か気にしましょう」と補足いただいたのですが、そういえばテレワーク用に追加したアクセスポイントはどうだったか、私は不安になったのでした。
DNS
つづいて、先程、登場したドメインを解説いただきます。
- 先程の通り IPアドレス を住所のような情報に変えているのがドメイン
- これを 名前解決 という
- この名前解決をしているのが DNS ( Domain Name Sytem ) サーバ
これも先程と同様にコマンドプロンプトを開いて、実際に試してみましょう。
nslookup というコマンドでドメインから IPアドレスで調べられます。
> nslookup yahoo.co.jp
サーバー: ***********
Address: ***********
権限のない回答:
名前: yahoo.co.jp
Addresses: 183.79.135.206
182.22.59.229
確かに IPアドレスが出てきました。しかも 2 つ。これは Yahoo! Japan のようなアクセスが多い Web サイトの場合、アクセスを分散するためとのことでした。
DNS がダブらない仕組み
ここで疑問に思います。「ドメイン、ダブってしまうのでは?」
- ドメインは 13 の階層にわかれている
- 一番上をトップレベルドメインという
なるほど~、ちゃんと管理されていて、勝手に名乗れないのですね。 jp もドメイン名だったのか…
TCP
インターネットを支えるプロトコルの TCP/IP のうち、 IPアドレスは解説いただいたので、今度は TCP です。
- 先の郵便の例でいうと IPアドレスが住所に対して、 TCP は「運ぶ人」
- 運ぶときの約束事が TCP や UDP
これもコマンドプロンプトで確認してみましょう。
> netstat -f
アクティブな接続
プロトコル ローカル アドレス 外部アドレス 状態
TCP 192.168.11.15:50570 198.251.214.93:https ESTABLISHED
:
:
:
netstat はパソコンがどんな通信をしているのか調べられるコマンドで、ここでは 1 行だけにしていますが、これがずーーーーっと際限なく続いています。
このローカルアドレスの横にある 50570 という数値はポート番号と呼ばれるもので、このポートを通してデータをやり取りしているとのことでした。
HTTP
インターネットを支えるプロトコルの 3 番目、 HTTP について紹介いただきます。
これまでは通信を確立するプロトコルでしたが、この HTTP はブラウザでやり取りする内容の送受信に関するプロトコルです。
- Hyper Text を転送するプロトコル
- Hyper Text とは HTML ( Web ページ) を指している
- 現在は HTML だけではなく画像や動画、音声なども
- 「動的」という言葉は、例えば Yahoo ニュースのように都度、データを生成していることを指す
この HTTP を使って、データの送受信の成功不成功表すのが ステータスコード と呼ばれるもので、 200 のような数字が表示されるとのことでした。 よく見る 404 もこのステータスコードだったのか!
HTTP と Cookie
HTTP の中に Cookie と呼ばれるものがあり、これも解説頂きました。
- 本来は EC サイトで商品をカゴに入れた状態でページを変えると、カゴは空になる
- データを保持させる仕組みが Cookie (クッキー)
- ブラウザに Cookie を保存させている
この Cookie からユーザがどんな情報を見たのか解析して、学生の内定辞退を予測を行う問題が発覚するなど、社会問題化していましたね。
冨原さんからもセッション ID と呼ばれるものを使うなど Cookie の見直しが進んでいると補足いただきました。
SSL
最後にインターネットを使う上で、切っても切れないセキュリティについてです。
- インターネットは特定のヒト・拠点を繋ぐ専用回線を使っているわけではなく、不特定多数を繋ぐ共用回線を使っている
- Cookie のような情報をインターネットで送ると、共用回線なので盗まれる可能性がある
- そこで情報を暗号化する。その仕組みが SSL ( Secure Socket Layer )
- URL が https で始まるもの
- ちなみに SSL というプロトコルから今は TLS に変わっている
冨原さんから最後に、一番最初のお題「ネットワークとはどういうものなのか」の答えを自分なりに考えてくださいとメッセージして、このコースは修了しました。
まとめ
一般のビジネスパーソンに向けて、インターネットとはどのような仕組みで動いているのか、全体のイメージを紹介いただきました。
とても些細なことですが、「英語の略称単語が多すぎ」と思っていたところ、ちゃんと略さずにそれぞれの単語を解説いただいたので、どんな意味なのかわかり、それだけでもうれしくなりますね。
またインターネットで普段使っている URL が構造がわかるだけでも、途端に詳しくなった気がするのは不思議な感覚でした。
ビジネスパーソンにも IT リテラシーが求められる時代、興味を持って学習を始められるコースなので、幅広い層にオススメです!!
label SEカレッジを詳しく知りたいという方はこちらから !!
IT専門の定額制研修 月額28,000円 ~/ 1社 で IT研修 制度を導入できます。
年間 670 コースをほぼ毎日開催中!!
SEプラスにしかないコンテンツや、研修サービスの運営情報を発信しています。