OBOGに聞く、新人研修で学んで役に立ったこと、役に立たなかったこと
トレタンではこの特集を機に、新人研修でプログラミングなど学んだことが、実際に業務にどのように役に立ったのか、新人研修を修了した OBOG たちにアンケートを実施しました。
その結果をもとに、新人研修どんな研修が役に立つのか、まとめました。
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調査内容
- SE プラス主催 新人研修プログラム DOJO の OBOG 約 400 名に向けアンケートを配信
- 回答は 39 名
- 回答者の入社年数
なお、 4 年目以上の回答はなく、 1 ~ 2 年目のご回答が 97 % でした。
もくじ
入社 1 ~ 2 年目では実装・テスト工程が多い
研修終了後の配属先の業務として 「テストや実装が多い」 ことを裏付ける結果となりました。
なお、 1 年目と 2 年目以上とで、経験業務に差はありませんでした。
幅広く学ぶ「 IT 基礎」「アプリケーション開発演習」などが役に立ったと回答
IT 基礎講習 や チーム開発演習 は幅広く技術や工程を学ぶものとして、役に立ったと評価されました。この中でもチーム開発演習については、実際業務に配属されるとドキュメント作成業務が多いことに起因しているようです。
そのドキュメント作成には、同じアンケート内の
「業務を経験されて、新人研修で特に学ぶ必要があると感じるものは何でしょうか? そう思われる理由も教えてください」
という質問の回答からを見ると、 Excel が多く挙げられていました。
また、他には SQL と タイピング が評価されています。
タイピングは、慣れているだろうからやらなくてもよい、もしくは研修中にやるべきではないと思われがちですが、遅いとコーディングだけでなくすべての作業が遅くなります。時間が取れる新人研修中にやるべきことなのかも知れません。
これも上記の別の質問「新人研修で学ぶ必要がある~」への回答から抜粋します。
まとめると、当たり前のことですが、新人研修では、どんな配属先でも通用する知識やスキルが必要とされると言えそうです。
マークアップ、フローチャートの演習は賛否両論
全体的には「役に立たなかった」の全回答数は、「役に立った」の全回答数に比べて、約 1 / 3 となっており、新人研修の内容は、概ね役に立っていると言えそうです。
その中では、新人研修の定番とも言える 「アルゴリズム」 を役に立たなかったとする回答数が割合として多い結果となりました。ただし、回答数を比べると、前出の役に立ったアンケートの回答数と拮抗する結果となりました。
プログラミングにはアルゴリズムが必須なので、アルゴリズム演習で使っている 「フローチャート」 が、配属先によって使われていなかったのかもしれません。
また、マークアップ技術( HTML / CSS )も役に立たなかったと役に立ったという回答が拮抗しています。これは現場に出ると、別に Web デザイナーが行っていることが多く、それが原因なのかも知れません。
プログラミングで困ることは様々
前出の「業務を経験されて、新人研修で特に学ぶ必要があると感じるものは何でしょうか? そう思われる理由も教えてください」という質問の中で、プログラミングに関連するものを答える方は 15 % 程度の割合を占めていました。
ただ共通するものは一つとしてなくバラバラで、プログラミング研修でカバーすることの難しさがわかる結果となりました。
現場でのコミュニケーションに苦労
「業務を経験されて、新人研修で特に学ぶ必要があると感じるものは何でしょうか? そう思われる理由も教えてください」の質問に対して、プログラミングに関連するものを挙げていた方が 15 % だったのに対して、 2 倍以上の約 30 % の方が回答し、最も多かった項目があります。
それが 「コミュニケーション」 です。
この質問は、実際、現場で困ったことの裏返しでもあり、配属後にコミュニケーションで困った新人が多いと言えそうです。
中には、現場の先輩や上司が改善できるものも含まれており、テレワーク時代に差し掛かり、 OJT で何をするのか再点検するのも有効かもしれません。
まとめ
新人研修について、役に立つこと、役に立たなかったことのアンケート結果について、考察してきました。
当然ながら、新人研修は「現場で役に立つスキルを身につけること」が第一義に求められ、アンケートの結果からも、それに応じた研修プログラムが必要になることがわかりました。
新人研修後は、実装やテスト工程に携わる方が多い中で、意外にも「プログラミング」より、圧倒的に「コミュニケーション」で困っていることが多く、もしかすると、新人向けプログラミング研修が上手くいったことの証かも知れません。
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