オンライン研修の不安?(コロナ前)|「教えない研修」特集1

緊急事態宣言下において、社内のミーティングやお客様との商談・打ち合わせなどをオンラインで実施した方も多いのではないでしょうか。
IT エンジニアに話を聞いてみると、「お客様との定例ミーティングや打ち合わせなどでの移動時間がなくなり、時間効率がよくなった」という声や「クリエイティブな仕事をしているため周囲の声などもなく集中しやすくなった」という声もありました。
もちろんデメリットの部分もありますが、メリットを感じる部分もあり、何よりも世間が「オンラインでも良いよね」と新たな選択肢をもったことが非常に大きな点(風潮)ではないかと思っています。
緊急事態宣言が解除された今、元に戻すのではなく、緊急事態宣言下に苦心して見出した新たな取り組みをブラッシュアップさせ、新たなサービスとして展開する動きが様々な業種業態で見られます。
私が勤める会社では、 IT 業界の企業様向けに IT 技術研修を実施しています。
特に緊急事態宣言期間は新入社員研修時期と重なり、本来であれば多くの新入社員の方々に教室に来ていただいて教えていたところですが、こういった研修もコロナの影響から 2 月から準備を始め、研修冒頭からオンライン(ライブで受講でき、質問なども音声やチャットでできる環境)で実施しました。
当初はオンライン研修ではなくオンサイト研修を希望する声
これまでであれば、新入社員研修をオンラインで実施するなど考えられなかったことです。
講師が同じ部屋にいて教えてもらえる環境で学ぶ(学校スタイル)は、新入社員を研修に送り出す人事担当者や教育担当者からすると当然であり、これが一番のやり方であると思ってらっしゃいますし、私たち研修事業者もまったく同じ思いでいました。(もっとも先行していなければならないはずの IT 業界の研修でさえ、未だにオンラインでの研修はあまり普及していませんでした)
そのため、感染症が拡大する初期段階であった 2 月下旬や 3 月上旬(まだ緊急事態宣言が出ていない時期)には、お客様からは
「感染しないでしょ、大丈夫だと思うからオンサイトで研修してください」
「オンラインでやるならキャンセルも検討します」
という声もあったほどです。(感染症の脅威が増すにつれ、お客様の反応も変わり、オンラインでの実施にご理解いただきました)
オンライン研修をやってみて
さて、皆様も何かしらのオンライン〇〇をご経験されたと思いますが、如何でしたでしょうか?
新入社員研修は緊急事態宣言下で背に腹は代えられなかった部分もありますが、オンラインで実施しても特に支障はありませんでした。
むしろ、オンラインで実施したことにより、オンサイトに比べて受講者が居眠りするなどの怠惰な様子がほとんど見れられなかったり、チャットを用意したことで質問がしやすくなったり、通勤時間がなくなったことで補講などへの参加率が高まりました。
また、それだけでなく、本来であれば研修会場にしかない様々なソフトウェアなどが、自宅でセットアップ済みで、講義中に自身が作成したソースコードなどがある学習環境(PC)が手元にあるので、予習や復習などにも役立っているといった学習効果が高くなった面もありました。
これらはオンサイト研修からオンライン研修になったことで総じて主体性が高まった事例であると思います。
そこで、次の特集では、「オンライン研修は単なるライブ中継に非ず!」と題し、主体性が高まるオンライン研修の実態をご紹介します。
特集2
オンライン研修は単なるライブ中継に非ず!

株式会社クロノス 関東事業部 ゼネラルマネージャ
「研修の受講者だけではなく、受講された方のお客様にまで、広く多くの笑顔を作る」をモットーにIT企業の技術研修やPM研修などを担当。
最近はAIの研修やセミナーにも多数登壇・講演の実績がある。
- 著作
- [記事]AI人材育成(トレタン)
- [記事]AIでシステム開発はこう変わる(AINOW)
- [書籍]Seasar2によるWebアプリケーションスーパーサンプル(SBクリエイティブ)
- [雑誌]eclipseパーフェクトマニュアル(技術評論社)
- [記事]Webの上のポジョをシームレスにつなぐJBoss Seam(@IT)
- [記事]IT人材の必要性と効果的な採用方法(@人事)
- など