作って学ぶ LAN 構築 研修コースに参加してみた

今回参加した研修コースは 作って学ぶ LAN 構築 です。
毎回人気のコースですが、今回も満員御礼です。いまは新しく社内 LAN などを構築する機会は減ってきているので、実機を操作できる貴重な場になっているのかも知れません。
参加してみると「作って学ぶ~」というタイトル通り、実際にルータを使ってステップアップしながら LAN を構築し、本や Web などで学んだだけではわかりにくいスタティックルーティングとダイナミックルーティングの違いを体験し、最終的にはダイナミックルーティングで動的に LAN を構築してみました。
これからインフラ構築業務に携わる方にはとてもオススメの体験です。
なお、このコースはパート 1 、 パート 2 と分かれていて、パート 2 からでも受講できるようになっています。このレポートでは 1 、 2 を通してレポートします!
では、どんな内容だったのか、レポートします!!
もくじ
コース情報
想定している受講者 | TCP/IP 通信の基礎知識( IPアドレス、サブネットマスクなど)と基本設定方法を習得していること |
---|---|
受講目標 |
|
講師紹介
インフラ系コースと言えば、、、
岩木 慎一 さん ですね。ちなみに、一番参加してみたレポートを書かせてもらっているかも知れません。

大型汎用機の時代から現場開発経験があり、今でも技術が好きでアップデートを忘れないベテラン講師 ( 15 年!)
実はインフラ実機演習で使うルータは毎回持ち込み頂いています。この環境があるおかげで、受講者の方が試行錯誤できる環境が出来ています。感謝しかありません!
LAN 入門
まずは簡単にネットワーク機器や IPアドレスの復習からです。
LAN の構成要素
- スイッチングハブ / L2 スイッチはハードウェアで動いている
- ルータ / L3 スイッチはソフトウェアで動いている
TCP/IP の基本設定
- LAN に割り当てられたアドレスの範囲の最後の番号には注意
- ブロードキャストアドレスとして使う( 255 など)
- 先頭はネットワークアドレスとして使う( 0 など)
- デフォルトゲートウェイはルータの IPアドレス
- 設定を忘れがち
- LAN からするとインターネットへの出口になる
- DNS サーバーアドレス
- DNS は 1, 0 で表される IPアドレスを www.hoge.com のような人間がわかるアドレスに変換する
- なお DNS サーバーのアドレスは
ipconfig
では出ないので、ipconfig /all
で出力する
ipconfig /all
で表示される情報IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.2.1
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.2.1
・
・
・
DNS サーバー. . . . . . . . . . . . .: 192.168.3.11
Windows の IPアドレス設定
- IPアドレスを設定
- windows キー + R で ncpa.cpl を実行
- ネットワーク接続のプロパティ > インターネット・プロトコル バージョン4 を開く
- 設定値を入力
- コマンドプロンプトから設定を確認
ipconfig
で確認- ルータ等の機器設定後は
ping [相手のIPアドレス]
- 複数LANの場合
tracert -d [相手のIPアドレス]
- 複数LANの場合
構築練習
ここからはルータを使って、早速 LAN 構築の練習です。
ルータの起動と初期化
- PC とスイッチを接続
- ルータの電源を ON -> 起動
Router>
とコマンドプロンプトに出たら OKen
で特権ユーザーになる- 初期化
erase startup-config
を実行 - Tab キーで入力補完できます
- ルータを再起動
Cisco ルータの基本操作
構築練習の内容
- 隣同士でルータ – PC 2 台を接続
- PC の IPアドレスを設定
- 前後の机でルータ同士を繋ぐ
ping
で疎通確認
構築手順
PC のデフォルトゲートウェイを設定し、 1 台のルータ内で 2 つの LAN を繋ぎます。
- ルータのインターフェース FE0 と FE1 に異なるネットワークに属する IP を設定
- ルータの IPアドレスを設定
- ex. FE0 10.0.0.254 | 255.255.255.0
- ex. FE1 20.0.0.254 | 255.255.255.0
- PC のデフォルトゲートウェイを設定
- 便利コマンド
no logging console
でコンソール確認メッセージを抑制no ip domain-lookup
で DNS への問い合わせを無効化
スタティックルーティングで設定
- スタティックルーティングで設定する
- 異なるルータを繋ぐ
ip route [宛先のIP] [中継点のIP]
でルーティング情報を設定
こちらの演習を行い、 LAN 構築 パート1 は終了しました。
ダイナミックルーティングで設定
続いて、パート2です。
先程のスタティックルーティングでは、やっぱり実習でも間違えやすく、面倒でした。これを自動で設定できるのがダイナミックルーティングです。
以前にもレポートした OSPF というプロトコルを使います。

- ルータに OSPF を有効化するコマンド
router ospf 1
を実行 - ルータにそれぞれのネットワーク LAN を認識させる
network [IPアドレス] [エリア番号]
- エリア番号は1つ
show ip route
で確認する- なお 30 秒に 1 回ルータ同士で情報を交換している
- ルート上にあるルータ 1 台に障害が発生すると、自動で回避ルートをたどるようになる
受講者の方も OSPF のラクチンさに驚いていました。
VLAN を構築
今回使用しているルータは、ルーティングをソフトウェアで制御しています。これを利用して VLAN ( Virtual Local Area network ) を構築してみます( SwitchVirtualInterface: SVI と呼ばれるインターフェイス) 。
物理的に繋がった LAN ではなく、仮想的に LAN を構成する。例えば、執務室とオープンスペースにわけるなど
- ルータに VLAN を登録
vlan database
- VLAN の name を登録
[名前] name [名前]
- VLAN を有効化
apply
exit
で抜ける
- VLAN の name を登録
- VLAN インターフェイス (ポート) を割り当てる
- インターフェイスを指定
interface range fa0 - 5
// 0 から 5 のポートを割り当て - ポートのモードを変更
switch port mode access
- 作成した VLAN を割り当て
swich port access [名前]
exit
で抜ける
- インターフェイスを指定
- VLAN 同士を繋ぐ
- ルータに VLAN の IPアドレスを設定
interface vlan 1
- 以降はルータの IPアドレスの設定と同じ
exit
- ルータに VLAN の IPアドレスを設定
- VLAN ルーティングを有効化
ip routing
これによって仮想でセグメントを分けることが出来たので、セグメント内でのブロードキャストが減り、通信量が抑えられます。
この VLAN を構築できたところで、このコースは終了しました。
まとめ
このコースでは、 LAN をステップアップしながら構築し、「なかなか繋がらない -> 繋がった!!」体験や、いちいち面倒な設定をしてから自動設定をラクチン体験するなど、インフラ構築の楽しさが体験できました。
途中出てきた OSPF などは、なぜその設定になったのか、 IPテーブルとは何か、のような知識をこれから深掘りする必要はありますが、百聞は一体験にしかず、まずは便利さを感じてもらうと興味が持てそうだなぁと感じました。
これからネットワーク構築に携わる方や、ネットワークは知識だけでイメージがしにくいとお感じの方には、とてもオススメです!!
label SE カレッジの無料見学、資料請求などお問い合わせはこちらから!!

SEプラスにしかないコンテンツや、研修サービスの運営情報を発信しています。